あさが来た 88話 五代の疑惑真相を知る

五代友厚(ディーン・フジオカ)が政府と癒着(ゆちゃく)し、北海道の官有物を格安で払い受けるという新聞が出まわり、五代を悪徳商人だという噂(うわさ)が日本中を駆け巡ります。あさ(波瑠)は真相を確かめようと五代を探して大阪の町中を走ります。北海道にへ事業の視察へやってきていた五代は、「北海道開拓使の官有物払い下げ」に隠された真相に気づき。。。

『あさが来た』第15週88話 「大阪の大恩人」あらすじ

希代の悪党五代友厚

新聞社は政府がおよそ1400万円という巨額の費用を投じた官有物を五代友厚(ディーン・フジオカ)らの大阪の会社がたったの39万円で払い下げを受けることになったと大々的に報じ、官と民の癒着(ゆちゃく)だと厳しい批判を受け、新聞の記事を見た新次郎(玉木宏)や加野屋の面々も、五代の悪徳商人というレッテルに戸惑いを隠せません。

ちょうどあさ(波瑠)が大阪へかけ戻ってきましたが、加野屋に着いたとたん、うめ(友近)が突然倒れてまいます。休んでいる間も、バタバタと忙しそうに動き回るあさのことが気がかりでならないうめは、無理を押してあさを追いかけようとしますが、そんなうめの腕を引き止める手が。。。それは雁助(山内圭哉)でした。長旅のあとにそんな無理をするものではないと雁助は言い「たまには自分を大事にし」と、うめの体調を心配して声をかけるのでした。

榮三郎八代目としての決断

九州から戻ったあさは、炭鉱を買った経緯とこれからその炭鉱をしっかりと運営していくことを加野屋の八代目・榮三郎(桐山照史)に必死に説明します。すると、榮三郎はあっさりとその話を承諾。あさが見て間違いないとと判断して決断したことなら、その判断を信じると話す榮三郎は、大番頭の雁助も駄目だとは言わなかった「雁助は、ホンマにあかんと思ったら、何が何でも止める男だす。」そういうと、炭鉱に関しては雁助自身も、あさに一目置いているのだろうと話します。「なにせ、大阪一のおなごの商人だすさかいな」と笑う榮三郎。

あさが席をはずすと、榮三郎は五代のある言葉が気になると新次郎に相談を持ちかける。

あさ五代を探して奔走する

九州から急ぎ戻ったあさは真相を確めようと、大阪商法会議所や美和(野々すみ花)のレストラン「晴花亭」を訊ねるも、五代の姿はどこにもありませんでした。レストランの中では五代を知らない者たちが「五代友厚は悪徳商人」と口々に噂(うわさ)する様子に、あさはこぶしを握りしめる。

今にも飛びかかっていきそうなあさをひき止めたのは、店の女将・美和でした。「店の中で騒ぎは困ります。」美和はあさを表へ連れ出すと、美和は五代が北海道へ事業の視察に出ていることをあさに告げます。新聞報道に惑わされる必要はないと話す美和でしたが、世間の五代への見方の変わりように「新聞の力というのは、怖いものだす」と不安を口にします。

みんなを守るお母ちゃん

その夜、九州から帰ってから、そのまま五代を探して大阪の町中を奔走し、家に帰ってからも千代(中川江奈)や新次郎の身の回りの世話をしていたあさは、いつの間にやら寝入ってしまいます。その寝姿を見ながら新次郎は娘・千代にあさは普通の母親とは違うが「みんなを守るために、たくさんの人のために頑張っている」と話し、千代の寂しい気持ちを察しながらも「千代だけのお母ちゃんにはなれない」言い聞かせます。

千代は寂しそうな表情を見せますが、それでも新次郎と一緒になってあさの寝顔を「ごくろうさん」と声をかけながら優しくなでてあげるのでした。

世間を動かす新聞の力

五代が北海道へ視察に出ている間にも、五代への新聞報道はさらに過熱し、大阪商人までもが結託(けったく)しているかのように書き立てます。五代からなんの説明も受けられないまま、自分たちまでも悪者のように書き立てられた旦那衆は、五代への苛立ちをつのらせます。

これまで大阪のために尽力してきた五代に恩義を感じるあさは、疑いを持ちはじめた旦那衆をなだめようとするも、五代から何の連絡もないことに大阪の商人たちも何を信じていいのかわからなくなっていました。

政治に利用された五代

そのころ、北海道へ渡っていた五代のもとに政府から「下げ取り消し」の通知書が届けられていました。一度は許可したものを差し戻すなんて政府は何を考えているのかと憤る三坂。結局、世間の大騒ぎを受けて、五代の準備していた北海道官有物の払い下げは取り消しになってしまいました。

「I was used to the politics of conflict and finally.(結局、政治の争いに利用されたというわけか。。。)」

事態を悟った五代は、事情を説明しようと急ぎ大阪へ戻ろうとするが、胸を押さえて崩れ落ちてしまいます。

『あさが来た』第15週88話 「大阪の大恩人」解説

今回は「五代友厚の体調(病気)」について解説していきたいと思います。

五代友厚の体調(病気)」について
史実通りにいくと、五代友厚の病気は「糖尿病」。今ほど食べ物が溢れていた次代ではないので当時としては大変珍しい病気でした。朝ドラをご覧になられている方は、五代友厚の病気が「糖尿病」と聞いて「なるほど」と思われた方もいるかと思います。五代友厚の登場には必ずと言って良いほどに旦那衆や旧友とグラスを掲げるシーンが多く取り入れられていました。この「糖尿病」が原因となり、明治18年(1885年)9月25日数え50歳(49歳)の若さで生涯を閉じることになります。

五代友厚の葬儀は一般参列者は約4.800人にもなったといわれ、政府との癒着(ゆちゃく)を疑われた五代友厚でしたが、実際には残されたものは遺産はなく、膨大な借金でした。政府と癒着(ゆちゃく)し私服を肥やすどころか、日本や大阪の発展のために生涯のすべてをかけた五代友厚の男としての生き様が思い図られます。その五代友厚の偉大な功績は大阪の恩人として、今でも大阪の北浜にある大阪証券取引所ビルの前には五代友厚の銅像が残されていています。私欲がなく、心も行いも正しい五代友厚の精神は語り伝えられているのです。

五代友厚のお墓は、大阪市阿倍野区にある大阪市設南霊園(阿倍野墓地)の中央に「従五位勲四等五代友厚墓」として葬られいます。一度大阪を訪れた際には、手を合わせに行きたいものですね。

【五代友厚・北海道の新しい商い その①】→コチラ 第85話「大阪の大恩人」解説へ
【五代友厚・北海道の新しい商い その②】→コチラ 第87話「大阪の大恩人」解説へ
【大阪の大恩人・五代友厚について】→コチラ 第4話「小さな許嫁(いいなずけ)」解説へ

『あさが来た』第15週88話 「大阪の大恩人」感想

今回は、政治闘争に巻き込まれた五代さんな回でしたね。

五代さんの事件のことで頭が一杯あさちゃんは、うめや千代ちゃんのことにまでなかなか気が回らないようでしたが、そこはさすが加野屋の男衆です。

父親として、夫として、娘とあさに気を配る新次郎さんと、影であさを支え無理をしがちなうめさんにひと言言える唯一の男性・雁助さん。

しっかりと女性陣のここぞというポイントを心得ています!すごないなぁと感服いたしました。

そして、大阪や日本経済のためにと日本中を駆け回っていた五代さんの身に異変が!!

まだまだ波乱は続きます!

今日の名言は
美和さんの「新聞の力というのは、怖いものだす」です。
現代でもそうですが、新聞などの報道・メディアの世間への影響力は、その内容が事実であっても、そうでなくても人を動かす大きな力になってしまいます。報道や情報を発信するということに関しては、本当にたくさんの配慮が必要だと感じました。

五代への新聞報道はさらに過熱し、大阪商人までもが疑心暗鬼に陥り、五代からの説明がないことに苛立ちをつのらせます。そんな中、北海道にいた五代の身に異変が生じます。一体この先、大阪の商人たちは、あさはどうなっていくのでしょうか?

次回、『あさが来た』第89話「大阪の大恩人」お楽しみに!!!

『あさが来た』もくじ あらすじと解説・感想

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